子育て

うちの子って発達障害?発達障害の本当の理解とは

子どものこんな行動で困っていませんか?

・幼少期、かんしゃくがひどかった
・「いけないことだからやらないで」と何度も言っているのに伝わらない
・カッとなって友達を押してしまう
・授業で座っていられず、落ち着かない。
・やるべきことをすぐ忘れてしまう
・怒られないように噓をつく
・ルールや順番を守れない
・子どもと話をしても、一方通行になってしまう

「うちの子は発達障害ではないか、普通と違うのではないか。」
そう感じるのは、少なからず育てづらさがあるからだと思います。

発達障害とは、大きく分けると以下の3つの種類があります。

・ADHD(注意欠陥/多動症)
・自閉スペクトラム症
・LD(学習障害)

それぞれ特徴は違いますが、共通して困ることは、「やりとりが一方通行」になりがちで、気持ちが伝わっている感じがしないことです。

2つのエピソードの違いは何?

これからA君とB君のエピソードを通して、「やりとりが一方通行」とはどういうことかご説明します。お友達とのトラブルが発端ですが、A君とB君の様子を読んで、お母さんだったらどんな気持ちになるか考えてみてください。

A君のエピソード

5歳のA君が保育園でお友達を押してケガをさせてしまいました。お迎えの時に先生からそのことを聞き、お母さんはショックを受けます。お母さんがA君のところへ行くと、いつもはお迎えを喜ぶA君ですが、今日はお母さんと目を合わせず下を向いています。あまり言葉も交わさず家に帰り、お母さんからA君にどうしてお友達を押してしまったのかを尋ねました。初めは黙っていたA君でしたが、次第に涙目になってA君なりの理由を話します。A君はお友達からちょっかいをかけられ、やめてほしいと何度も言ったのにやめてくれないから押してしまったことをお母さんに伝えました。

このエピソードを読んで、どんな気持ちになりましたか?
A君から伝わってくるのは、「お友達を押してはいけない」というルールを理解していることと、そのいけないことをしてお友達をケガさせた自分を責める気持ちです。まだ幼いので、いけないことをして大人に怒られるという気持ちかもしれません。いずれにせよ、ルールを理解しているからこそ、このような態度になります。

お母さんも、A君の気持ちがよくわかると思います。お母さんとA君は同じルールを共有し、それを守れなかった時、お母さんの感じたショックと、A君の気持ちは連動しているからです。A君の話を聞いた後、お母さんはA君を叱るかもしれません。でも、A君もいけないことだと納得しているので、お母さんに大きな不全感は残りません。

B君のエピソード

今度は同じ5歳のB君です。お友達を押してケガをさせてしまったところは同じです。お迎えの時に先生からお母さんにそのことが伝えられ、お母さんはショックを受けます。お母さんがB君のところへいくと、B君はいつものように遊んでいます。お母さんが声をかけると「帰りに公園に寄りたい」と言います。お母さんは「今日は帰って話をしないといけないよ」と伝えて家に帰り、お母さんからB君にどうしてお友達を押してしまったのかを尋ねました。B君は「わかんない」と答えます。お母さんから「お友達を押してはいけない」「ケガをさせたら謝らないといけない」ということを説明しますが、B君はきょろきょろと視線が定まりません。お母さんがB君に「明日お友達にちゃんと謝るんだよ」と約束し、「じゃあごはんの準備するね」と言うと、B君はすかさず「テレビ見ていい?」と聞きました。

B君のエピソードはここまでです。どんな気持ちになりましたか?

A君との違いは、「お友達を押してはいけない」というルールを十分に理解していないことと、お友達にケガをさせたことの重大さを感じていないことです。お母さんには、他の子をケガさせてしまった罪悪感がありますが、B君にはそれがありません。そのため、話を終えた後も伝わった感覚がなく、お母さんは不全感を抱きます。

B君のエピソードでは、会話が一方通行になっています。お母さんはお友達とのルールについて話していますが、B君はその時々の欲求の話をしています。かみ合っていませんね。
発達障害傾向のある子には、こういった特徴があります。これは、対人理解が同年齢の子どもと比べて幼いことが原因です。対人理解とは、人間関係のルールの理解や、相手の気持ちを推察する力のことです。

対応方法は?

では、こういった子どもたちにどんなフォローができるでしょうか。

一番は、子どもの対人理解の幼さをお母さんが理解することです。今まで、子どもに伝わらないと感じていた理由がわかると、関わり方も自然と変わっていきます。
また、発達特性の中でも、改善しやすいところと、そうでないところがあります。たとえば「忘れ物が多い」であれば、環境を調整することで改善するかもしれません。フォローの方法は、療育機関などで実際の様子を伝えながら一緒に考えていくとよいと思います。

一方、改善しにくいところは、何度もお伝えしている「対人理解の幼さ」です。お母さんが孤立しやすいのは、子どもとの話が一方通行になり、気持ちの共有ができにくいからです。
そして、この「気持ちの共有ができない」ということを話せる場があまりないのが現状です。
子どもの一番そばで関わっているのはお母さんであることが多いです。もし、誰にも言えず抱えている思いがあるなら、ぜひお話ししにいらしてください。

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